トラック道中



トラックに揺られ2時間半、もう私はトイレの我慢が限界に来ており、
見知らぬタンザニア人にまで相談していました。



今日は先週末のお話です。



日本人のある先輩がもう6月にタンザニアを離れてしまうということだっ
たので先週末その村に挨拶にいこうとしたのです。



私の村から乗り換え2回、計7時間程のバス旅となるはずでした。
2本目のバスまではとても順調にいっておりました。




が、その村まであと1時間というところの距離にある町で、村行きの
バスに訳あって乗れず、トラックにてその村に行くことに。



バスの本数が少ない地方では貨物用トラックが人も運ぶのです。




それ自体はままあることで、まあいいかなと思ってトラックの後ろの荷台に
乗り込みました。




貨物といってもセメント用の石灰の袋しかないし、人あんまりいないしバスより
快適かなくらいに思っていたのです。




よし、いざ出発、ということでそのトラックは町を出発したんですが、なんだか
様子がおかしいんですね。


明らかにその村とは違う方向に進んでいるんです。


と思いきや急に止まり、なにやら荷物をどんどん積んできました。



そうなんです、石灰だけかと思いきやそのトラックは他にもありとあらゆるもの
を地方の村々へ運ぶためにまず、町の店各所を巡回していったのです。



大量のペットボトルの水達、ジュース達、バケツにつめた油、そしてなんに使う
かわからないけれど10m以上ありそうな鉄の棒、などなどとにかくあらゆるもの
をつめれるだけつめていきます。
店に止まっては荷物を積み、人もどんどん入っていき、という感じだったので目的地
に着くだろうと思ってた時間になってもまだそのバスは町のなかでした。




私は実はトラックに乗る前からトイレをずっと我慢していました。
公衆便所というものはほとんどないのです。でもあと1時間で着くしいいかなと思って
トラックに乗り込んだという経緯がありました。




というわけであと1時間で着くと予想した私のあては完全に外れ、自分とトイレとの戦い
になっていました。






結局1時間半くらいかかってすべての店をまわり、荷物もすべて積んだようで、そのトラッ
クはやっと町を出発しました。
トラック内は見渡す限りの荷物達でうまり、当初より人も増え30人はゆうに乗って
いました。




そしておりしもの雨…。石灰やほかの荷物が濡れてはいけないので荷台全体にカバーを
かけます。そしてほぼ中は真っ暗に。






くどいけれど私は自分との格闘中。かつ未舗装道路だからトラックは揺れる。





もう視界も暗くて、私は




自分が荷物なのか人間なのかもうよくわかんないなこの状況



とか




奴隷貿易で運ばれたアフリカ系の人達はこんな感じだったのかな、いやもっと大変だった
んだろうな、



とかよくわかんないことを考えてました。





トラックがちゃんと村方向に出発して40分程したとき、私はもう限界に達しました。




藁にもすがる思いでなぜか前にいたタンザニア人のお母さんに「私ほんとにトイレ行きた
いんだ。どうしよう。」と相談し、「次どこかの村に止まったらどこでもいいから降りよ
う、そしてどこでもいいからするしかない」、と決意したのです。





前にいたおばちゃんも私の状態が本気で深刻だと思ってくれたようで、心配してくれ、
「この子がトイレに行きたいのよ。もう我慢できないのよ。」
ってまわりのタンザニア人達にまで言いはじめました。
みんなひそひそと話して私の顔色を見ています。
私は正直もうそれどころじゃなく1mmたりとも体を動かさないようにしていました。








やっとバスが次の村に止まり、おばちゃんも「いまよ!」みたいなことを言うので、
ここどこ?って聞いたらなんと実はそこが目的地!




トラックのコンダクターにまで心配されてた私は彼に、トラックが
止まった場所から一番近くのトイレ(民家のトイレ)まで誘導して
もらい、無事ことなきを得たのです。
おばちゃんありがとう!





その村は電気も完全になし、水道も完全になし、他の町や村からの
アクセスも悪い、というとてーも田舎なところでしたが、のどかで
いい村でした!


【写真説明】
 ○1枚目:最初乗り込んだ当初のトラック。あのときはまだ荷物も人も少なく楽
      だった。
 ○2枚目:村のメイン道路。